「さ、さいってい……!!」
「顔合わせた途端にヒトの顔ぶん殴る奴ァ最低じゃねえってのか」
「天罰よ天罰ッ!! ああもう、なんてことしてくれんのよあんたは! 今日体育あるのにぃぃぃッ!!」
「そんなもん休めばいいじゃねえかよ。第一ソレは不可抗力だったろ」
「ばあちゃんに何て言い訳しろっての!? 何て誤魔化したらいいのかしら。今時、バンソコ貼るってのもベタだし」
「言わせとけばいいじゃねえかよ別に。ぎゃあぎゃあ騒ぐことじぇねえだろ」
「そーゆう問題じゃないわ! あーうー、ただでさえ、さやかと亜子になんかいろいろ勘繰られてるっていうのにぃ……」
「放っとけ放っとけ。あながち勘繰りっつーわけでもねえし」
「………………え?」
「………………あ」
「ちょっと前鬼、今なんて――」
「なんでもねえよ。忘れろ」
「無理よそんなのッ! ねえソレどーゆうこと? もしかしてあんた、あたしが寝てる間に何かしてるんじゃ」
「してねえよ! するわけねえだろッ!」
「じゃあさっきのセリフは何よ!? どーゆう意味だったわけ!?」
「うるせえな。いいのか? 騒ぐとババアどもが起きてくんぞ。ただでさえ年寄りは朝が早えんだからな」
「誤魔化すんじゃないわ!! さあキリキリ吐いてもらおーじゃない……」
「目が据わってんぞてめえ」
「話を逸らすなーッ!!」
喉元の歯型