なぁ、俺等って友達だよな? そう言ったらツナは一瞬目を大きく開き、でもすぐに「あたりまえだろ?」と笑ってみせた。 何か心配事とかあったらいつでも言えよな?相談くらい、いつでものるぜ? そういったら「やっぱり山本は優しいな」と言って「でも、別に平気だからさ」とまた笑う。 でも、その笑顔はどこか俺を安心させようと無理しているふうにも見えて・・・。 俺は何でも言い合える中だと思っていたから内心・・・少し寂しかった。 よくわからないけど、最近マフィアごっことか何かと危険な遊びがはやっているらしくて、 ツナもよく小僧や獄寺達と一緒に遊んでたりする。 ちょっとヤバイと思う時もあるけど、まぁ基本的に本格的で面白い遊びじゃないかと思う。 でも、小僧に誘われて俺が遊びに加わると。いつもツナは複雑そうな表情をしていた。 そして「ゴメン山本・・・」と、すまなそうに言うのだ。俺には、何で謝るのかがわからない。 それは、この遊びに付き合わせてしまった事への言葉なのか? それとも、俺には言えない何か別の事への言葉なのか? どっちの意味が込められているにしろ、俺がしたいようにしているんだからツナが気にする 事じゃない。危険な事はわかっているんだ。だからこそ、俺はこの遊びに参加する・・・。 だってそうだろ?友達が危険なめにあうかもしれないって思ったら、ほっとけないじゃん。 少しでも助けになりたいって思うもんじゃね? 何か俺に言えない事があるとしても、今は無理に聞きだそうとは思わない。 いつの日か、ツナの口から聞ければそれでいいと思うから。 だけど、悩み事とか、不安とか、そういう物を抱えてるなら・・・一人悩まないで言って欲しい。 頭良くないし・・・。俺なんかが相談にのれるかわかんねぇけど。聞くくらいなら何時間でも 話を聞いてやる事はできるから。だから、俺の前くらいでは無理に笑わなくてもいいんだ・・・ だけど、それは言葉になる事はなく。心の中でいつも思い浮かべては消えていくだけ・・・。 まったく、らしくないよな・・・。そう思って苦笑いを漏らすと、ツナに「どうかしたの?」と声をか けられた。瞬間、俺は意識を引き戻された。 「何?考え事でもしてたの?ずっと難しい顔してたけど・・・」 ・・・静かだ・・・ 俺とツナは今、職員室に呼び出されている獄寺を待っている最中だった。いつのまにか他の クラスメイトは帰ったようで俺達以外もう教室には誰ものこっていない。 放課後の誰もいない教室は普段とまったく姿を変えていて、まるで此処だけ時間が止まって いるかのように思えた。意識はあるのに頭がうまく回らず、俺はただツナの顔を見ていた。 何も言わない俺にツナは不思議そうな顔をしている。 「・・・なぁ、ツナ。俺って頼りない?」 頭で考えるより早く、言葉が出ていた…。言ってしまってから、しまったと慌てて手で口を覆う。 今まで口に出して聞けなかった事が、まさかこんな簡単に言えてしまうなんて・・・。 「今のは忘れてくれ」そう言うと、ツナは「もしかして、ずっとそれ考えてたの?」と笑った。 そして「頼りないなんて、そんな事あるわけないよ。だって、山本は俺の憧れなんだからさ。 山本は、俺のヒーローなんだ」そう言って少し照れたように笑った。 |
そんなに頼りない?